縄文人の知恵を受け継ぐ
干物づくり

丸源水産食品

縄文人の知恵を受け継ぐ<br>干物づくり

福島県いわき市江名地区。昔から小型漁船の基地として知られる江名港の近くに、丸源水産食品があります。工場の壁に掲げられた「縄文干し」の看板には、職人の誇りとこだわりが込められています。昔ながらの知恵を活かし、手間を惜しまない干物づくりを続ける――それが丸源水産食品の姿です。

丁寧に作り上げる看板商品「縄文干し」

「縄文干し」は、魚をただ干すだけではありません。新鮮な“常磐もの”などの原料を下処理し、独自の調味液に漬け込んで氷点熟成。一晩寝かせた魚を洗浄した後、日陰で自然風と扇風機の風を当てながらじっくり干し上げます。完成まで約3日間――この手間が旨味を凝縮し、魚の風味を引き立てます。
この製法は、縄文人が住居内で魚を吊るして干していた知恵に学んだもの。こうして誕生した「縄文干し」は、素朴な味わいが評価され、『観光みやげ品コンクール』で県知事賞を受賞。丸源水産食品の看板商品となりました。
そんな「縄文干し」を存分に楽しめるのが、「縄文干し詰合せセット」です。旬の常磐ものを厳選し、氷点熟成と自然乾燥で仕上げた贅沢な干物セット。ギフトにもぴったりです。

こだわりの製法と進化する技術

「縄文干し」の特徴は、昔ながらの製法を守りながらも進化を続けていることです。氷点熟成で旨味を凝縮し、自然風で干し上げる――効率よりも品質を優先するこの工程は、先代から受け継がれてきました。
さらに、無添加への挑戦にも踏み切りました。安全・安心という付加価値を加え、より高品質な干物を目指したのです。味の再現には2年もの歳月を要しましたが、試行錯誤の末、従来の味に近づけることに成功。「今の方がおいしい」という声も増え、進化した縄文干しは新たなファンを獲得しています。

地域とともに歩む企業理念

東日本大震災や原発事故による風評被害など、丸源水産食品は幾度も困難に直面しました。しかし、そのたびに立ち上がり、干物づくりを続けてきました。
大切にしているのは、先代から受け継いだ言葉――「ちゃんと漬け込んで、ちゃんと干していれば間違いない。ごまかすな」。この信念が、丸源水産食品の原点です。
これからも豊かな漁場とともに歩みながら、地域に人が集まるきっかけをつくりたいと考えています。『あそこに干物屋があるらしい』と、ふらっと立ち寄ってもらえる場所にしたい。それが町を元気にするきっかけになればと思っています。そのために、これからも手を抜かず、ごまかさずに干物づくりに向き合っていきます。

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